日時 11月3日(木) 13:00〜18:00 |
1 | ブリーフセラピー 入門編:ブリーフのエッセンスをソーシャルメディアで共有しよう |
原口葉一郎(解決志向アプローチ研究所/志學館大学) 長沼葉月(首都大学東京) |
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毎年恒例の入門者ワークショップです。ブリーフセラピーの初学者の方、またそんなの聞いたこともないという方もどうぞいらしてください。深遠なるブリーフセラピーの世界への通過儀礼が体験できますw 別の角度から言うと、このワークショップは、あなたの「大学でこう習いました」「こうするよう本に書いてありました」に疑問を投げかけ、「治療」や「援助」がより生き生きと成り立つようブリーフセラピーの思想や技法に焦点を当て、その可能性を広げるものにしたいと思っています。 また今回の特徴は、既に日本でも4千万人を越えたと言われるソーシャルメディアの導入です。会場ではTwitterの画面を投影し、みなさんから多様な意見をリアルタイムにいただきながら、インタラクティブにワークショップを展開したいと思っています。携帯(もちろんスマホでも)持ってTwitterの無料アカウントとってご参加ください。もちろん、「そんなのめんどくさい」方は手ぶらでどうぞ(^_^) |
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2 | ブリーフセラピー 実践編:システム論を用いたアプローチの初歩から応用まで |
唐津尚子(システムズアプローチ研究所/コミュニケーション・ケアセンター) 田中究(関内カウンセリングオフィス) 安江高子(関内カウンセリングオフィス) |
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キーワードは「実践」。対人援助の現場では、来談者をとりまく家族や学校教職員、職場上司といった関係者が面接に同席する場面がしばしば発生します。しかし、複数の面接参加者を前にどうしてよいかわからず、困惑した経験がある方は少なくないことでしょう。 システム論はこのような合同面接を得意とする、ブリーフセラピーにおける支柱のひとつです。また、出発点は「家族療法」ですが、システム論は合同面接だけで用いられるものではなく、個人面接において来談者の背景・環境を視野に入れ、スムーズな面接展開を促す方法論を提供していることは意外と知られていません。ネオ・サイバネティクスという言葉も出現しているように、システム論の可能性は観察者による認識の仕方という枠を超え、さらに拡がっています。本ワークショップでは新旧システム論を結集し、現場志向の知見、方法論をご紹介していく予定です。具体的には、古典的なシステム論を振り返り、新しいシステム論であるオートポイエーシスに至るまでの流れを整理しつつ、「枠組みの理解」「ジョイニング」「リフレイミング」「ノーマライゼーション」「コンセンサス形成」といった技法を、エクササイズを行いながら体験的に学習します。 |
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3 | 自閉症神話の脱構築:療育から治療へ 〜RDI(Relationship Development Intervention):定型発達を目指す養育支援〜 |
白木孝二(Nagoya Connect & Share) | |
自閉症神話とは、「①自閉症とは生まれつきの脳の障害を原因とするものであり、親の育て方や接し方によってなるものではない。② 育て方や教育によって症状を改善させることはできても、生涯にわたって様々な発達障害を示すもので、(病気が治るというような意味で)治ることはない。」という言説です。もはや迷信でしかないこの言説を、複数の新しい知見に基づいて脱構築を試みます。自閉症を多面的に、複雑系システムとして、またRelational & Historicalに理解することが、新たな療育支援を展開させてくれるので。 21世紀の療育を標榜するRDIは、自閉症児・者と家族が、普通のQOLやHappinessを手に入れ、あたり前に生活できることを目標にしています。そのために定型発達をモデルにした、長期的な養育支援という方法を取っています。家族の教育やサポートの方法・手段として構築、活用されている、強力なITシステムについても紹介する予定です。 |
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4 | ブリーフセラピーを活かして、学校も子どもも元気になる!〜世界のプログラムからコツを盗む〜 |
黒沢幸子(目白大学/KIDSカウンセリング・システム研究会) | |
子どもたちの笑顔は、何ものにも代え難いものです。学校で、友だちや先生と過ごす中で、子どもたちの笑顔がこぼれること、それがどんな状況においても守られること、私たちはそのために力を合わせていきたいですね。「子ども」こそが「未来」ですから、そこには希望と可能性があります。子どもたちを支援するために、"いじめ"への誰も責めない解決プログラム、教室でうまくいっていることを見つけるWOWWプログラム、解決志向プリ―フセラピー(SFBT)の精神を学校運営(カリキュラム)のベースにしている学校など、諸外国ではSFBTを活かした魅力的な実践がなされています。また、本邦では、教師や保護者への支援として、解決志向を活かしたコンサルテーションの11ステップモデル(筆者らが開発)などが実践されています。 このワークショップでは、SFBTなどを活かした学校領域に役立つさまざまなプログラムを紹介し、参加者の皆さまとワークしつつ、明日の子どもと学校の笑顔につながる実践スキルを身に付けられるようにしたいと思っています! ブリーフセラピーが初めての学校領域の方も歓迎です。 |
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5 | 虐待等のトラウマをうけた思春期の子どもに対する統合的・折衷的アプローチ 定員のため,申し込み受付を締め切りました |
白川美也子(昭和大学精神医学教室) | |
思春期はヒトが生物学的再生産に参入する前に、今までのすべてを表出し練り直し再統合する時期である。この時期の支援は、その後の対人関係に影響し、次世代にまで影響を及ぼす。 特に虐待等のトラウマをうけた子ども達の呈する精神症状や問題行動は、激しい情動・衝動に彩られる。その背後にトラウマをうけた時点の幼い子どものより自我状態が存在している。トラウマの影響による3つの自我状態、Fight, Flight, Freezeがどのような形で現れるかを理解していると、表面的な事象をなでるばかりでない持続する変化を及ぼす働きかけを行うことが可能になる。 今回のワークショップでは前半に、子どものトラウマ総論と演者の病院や児童養護施設での臨床場面から被虐待体験のある子どもに対する EMDRや自我状態療法、TF-CBTを用いたアプローチのTIPSを提示する。 後半は、ホログラフィートーク(嶺2004、白川2004)のプロトコルを使用し、自分の「情動や衝動」の背後にある子どもの自我状態をインナーチャイルドワークの形で探る相互実習を行う。 |
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6 | ナラティブ・サイコオンコロジー 病い・語り・時間 |
小森康永(愛知県がんセンター中央病院) | |
精神腫瘍学をナラティヴにやりたい、あるいは緩和ケアにナラティヴなエッセンスを取り込んでみたい、さらには自らの死をナラティヴに考えてみたいとお思いの方のためのワークショップです。サイコオンコロジーの対象疾患は、せん妄、適応障害、うつ病に代表されますが、死にゆく人や遺族、それに医療従事者のケア、さらにはスタッフ教育まで、その活動は幅広いものです。 そこで、リ・メンバリング、外在化、文書手段などを駆使しつつ、多声性を尊重する実践を目指すことを考えていきましょう。「あたかも」症例検討会を開いたり、ディグニティセラピー、時間感覚の治療利用についても概説します。参加者は、事前にアンチ・キャンサー・リーグに目を通されることをお勧めします。 http://www.pref.aichi.jp/cancer-center/200/235/index.html |